大阪の刺繍加工会社の業務紹介及び今後の展望


by Nekoshima

刺繍屋の嘆き その1

さて、昨日の続きです・・・。

日本で販売されている、刺繍データ作成ソフトは国産・海外製あわせても数種類しかありません。

10数年前は、機能面でそれぞれかなりの差がありましたが、現在はほぼ同じレベルのソフトになりました。

現在、ほとんどがWINDOWS用のソフトなんですが、他の有名ソフトと較べて格段にユーザーが少ない特殊なソフトであるため、ユーザーの意見・要望がフィードバックされることがなく、バグの塊と言っても過言ではない代物です。

かなり良くなってきていますが、まだまだ・・・「フリーズ」と戦う毎日です。

そんな危なっかしいソフトであるにも拘わらず、価格は??(゚Q。)??・・・凄かったです。

15年前・・・BMWの750iクラス
10年前・・・セルシオクラス
05年前・・・SUBARUレガシークラス
現在・・・マツダDEMIOクラス

ハードが安くなったことと、やはり価格競争でしょうか?

今ではすっかり「刺繍屋に1台」です。

ただ、このデータを作る作業=パンチングは刺繍屋の心臓部でもあります。

変換の下手糞なワープロソフトでも、時間がかかるだけで、出来上がった文章の良し悪しは書き手の手腕で決まります。

ソフトの出来が悪かろうが、基本はそれを使ってつくる人間の技術・感性です。

同じデザインでも、作る人によって全く別の表情を持ってしまいます。

ソフトが普及して誰でも簡単に作れるようになったおかげで、とんでもない刺繍を見る機会も増えました。

ああ、嘆かわしや・・・(T_T)。
# by ykm94731 | 2005-06-23 23:04 | 刺繍屋のお仕事 | Comments(0)

刺繍屋の苦しみ その2

パンチング」聞きなれない言葉ですよね?

刺繍業界では、刺繍データもしくはデータを作成することをこう呼びます。

何故か?

現在の刺繍機はコンピューター制御になっていまして、主にフロッピーディスクを媒体としていますが、10数年前までは穴の開いた情報テープが使われていました。

テープに開いた穴を読み取りながら、XY座標でX軸方向へ○mmY軸方向へXXmm移動しそこで針が降りて、1針縫う・・・の繰り返しです。

現在のようにPCが普及していませんでしたので、データ作成もたいへんなものだったそうです。

絶対座標を持った電子板にデザインを貼り付けて、先ほどのように座標を追いながらボタンを押す→電子板に繋がれた穴あけマシンがでテープに穴を開ける・・・。

そうして、1つのデザインデータの完成!

この「穴を開ける」という工程から「パンチング」と呼ばれています。

当時はモニターもありませんから、実際にミシンで縫ってみないとどんな仕上がりになるのかわかりません。

仕上がりが悪いからといって修正するにも、テープに穴を開けているわけですからたいへんです。

穴を塞いだり、テープを継ぎ足したり・・・想像を絶する苦労です.

たいへんな時代だったんですよね!

現在のデータ作成は専用のソフトで行っています。

「座標を追う」というところは一緒ですが、1針1針指示してやる必要は無く、デザインのアウトラインを指示してやれば自動的に針落ちを計算して埋めてくれます。

以前なら、作成に一週間程必要だったデザインも、数時間あれば出来てしまいます。

モニター上でシュミレーションなんてことも出来ますので、仕上がりはある程度確認できますし、また、PCデータなので修正や拡大・縮小なんてことも簡単に出来ます。

お客さんもその辺りをよくご存知なので、昔のようにいろんな言い訳が通用しないので、ある意味辛いです。(T_T)

「そんなに簡単に出来るんだ!知らなかった・・・」というお客さん!忘れてください!!
# by ykm94731 | 2005-06-22 23:08 | 刺繍屋のお仕事 | Comments(0)

刺繍屋のロット

製造業では「ロット」という言葉を使いますよね!

一つのカテゴリー・アイテムの生産量なのですが・・・。

今、国内の繊維業界では、「小ロット対応可能」ということをうたっている会社がたくさんあります。

現在の国内での主な生産は、多品種・小ロットになってきています。

商品によってまちまちなのですが、最近の刺繍業に関して言えば、500という数量が平均的なものではないでしょうか?

悲しいかな、1000という単位を見なくなって久しいです。

バブルの頃は10万なんて商品も結構あったんですが、現在の衣料品に関して言えば、そこまでのロットは考えられないですね。

500着あれば、「結構数量があるね!」
300着・・・「まあまあ」
100着・・・「まあ、無いよりは・・・」
10着・・・「経費で飛んじゃうなあ」

逆に、不景気のあおりで縮小傾向にある現在の日本の工場では、数千着なんてオーダーが来ると、「えらいこちゃ!」になってしまいます。

最近では数十枚なんて仕事がざらにあります。

この小ロットをこなしていかないと、日本ではやっていけません。(T_T)

考えようによっては、希少価値の高い商品をつくっていることになります。

世界で数枚しかないTシャツと聞くと、買いたくなる方は結構多いんじゃないでしょうか?

これからは、そういう路線で行かないと駄目かもしれませんねえ?

ちなみに、うちは中国に合弁工場があるのですが、バブル期の中国はすごいですよ!

1ロット50万着なんて仕事がゴロゴロしてます。(-_-#)

そんなに造って、どこで売られているんでしょうか?

○○市の制服とかだったりして?
# by ykm94731 | 2005-06-21 21:20 | 刺繍屋のお仕事 | Comments(0)
昨日は「父の日」ということで、プレゼントを買いに行って来ました。

「いつまでも若く元気でいて欲しい」という祈りを込めて、お洒落なシャツを一枚(笑)。

刺繍屋の服の買い方は、デザインもさることながら、やはり刺繍部分に厳しいチェックを入れて品定めをします

ポイントとしては・・・

1.裏の芯地の剥離具合。
通常、刺繍する際に紙、ビニール等の芯地を生地に当てて刺繍します。これがないと縫えませんので。終わってから芯地の剥離をするのですが、これが綺麗に出来ているか?
一昔前は、芯ちが丸々残っている商品をよくみかけましたが、海外生産の商品でもそこそこ綺麗にしてあります。これが残っているとゴワゴワ・チクチクしたり、アイロン掛けの際に問題が起こったりします。

2.糸調子。
下糸と上糸の調子です。下糸が緩かったりすると、裏が真っ白になり、表にまで下糸が見え隠れしている商品があったりします。これは現在でも結構な頻度で出会います

3.綺麗に出来ているかどうか?
ろくに検品していない商品等、刺繍糸が切れていたり、柄の一部がかけてたり・・・また、柄がずれていたり・・・。

悲しいかな、国産品でもそんな商品がまだまだ出回っています。

加工する側としては、たいへんな労力を要するのですが、エンドユーザーのことを考えると、手抜きは出来ません。

やはり、それを着る人に「綺麗な刺繍だなあ」「この服買ってよかった」って思ってもらえるような物作りがしたいですね!

これは、刺繍屋の義務であり、信念です。

単価面で、海外と勝負出来ない今、そのあたりをきっちりと押さえて行かないと、日本製じゃなくなっちゃいますから・・・。

皆さんも、厳しい目でチェックしてみてください!

そして、評価してみてください!

「綺麗」「すごい」「格好イイ」・・・

「汚い」「痛い」・・・

それが、刺繍屋の未来につながります。

なんちゃって・・・。
# by ykm94731 | 2005-06-20 22:14 | 刺繍屋のお仕事 | Comments(0)

刺繍屋の苦しみ その1

先日、輸送費に関するコメントをいただきましたので・・・

刺繍屋は加工業なので、送られてきたものに加工を施して送り返すのが基本なのですが、私達のような小さな会社にとって、流通コストは非常に重要なのです。

大手のお客さんは「送っといて!」と簡単に言われますが、加工賃の何倍もかかることがあるんです。

先方さんは格安で契約されているので、全然問題にならないみたいなのですが、うちにとっては死活問題です。

例えば、S急便さんで四国まで袋を送ると@1750です!!兵庫県でも@1000超です。

中身の単価は・・・「殺生やー!」(T_T)。


市内ということもあって、いろんな運送屋さんが営業に来られます。

魅力的なコストを提示してくれるんですが、お客さんの指定があったり・・・

「うちはS急便が早く着くから、Y運輸は使わんといてくれ!」

Y運輸なら3分の1のコストで済むのですが、お許しがでないので致し方なく。

逆に、東北や九州はY運輸さんじゃないと次の日に到着しないとか、広島はF通運さんが早いとか、運送屋さん・地域によってまちまちです。


最近は、いろんな運送屋さんが「時間・コスト」の面で頑張ってくれているので、なるべく安いところにお願いしていますが、いろんな運送屋さんとお付き合いをしてると、またまた問題が・・・

Y運輸さんで荷物を送ろうと外に積んでいると、S急便さんのトラックが止まって・・・

「今日はたくさんありますね!荷物は以上ですか?」

「すみません。S急便さんのじゃないんですよ!」

とか、

「F通運の荷物はあるのにうち(P便)のはないの?ショック!」

「すみません。お客さんの指定なんで・・・」


義理人情にあつい私としてはほんと辛いです。

最近は、運送屋さんの顔を見るまで荷物を隠しています。(+_+#)

なんでこんなにコソコソしないといけないのか・・・夕方の集荷時間が怖いです。
# by ykm94731 | 2005-06-17 21:48 | 戯言(たわごと) | Comments(1)