大阪の刺繍加工会社の業務紹介及び今後の展望


by Nekoshima
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時間に追われる毎日で、あっという間の一週間。
仕事をしながら、毎日Blogを更新されてる方は、本当に凄いなあとつくづく思います。
僕なんて、自分のことで精一杯。(苦笑)
さて、今日は刺繍の基本と言うか、セオリー的なことを・・・。

刺繍データを作る上で、結構重要な「縫う順番」です。

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例えばですが、こういうデザインの場合、どこから縫っていくのが正解なのか?
「刺繍は中から外へ」が一般的です。わかりやすく、色分けすると、

d0061489_16521270.png


赤→緑→紺という順番になります。
先に紺を縫っちゃうと、中の刺繍を入れた時に、空白部分の生地が歪んだり、たわんだりするからです。
通常の生地は、その状態で丁度いい密度で出来ています。
そこに刺繍糸を割り込ませて行くわけですから、どうしても無理が生じます。
なので、内側から外へ「その歪み」を逃してやり、最後に紺の部分、
放射状に回るサテンステッチで、その歪みを吸収してやります。

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こういうワッペンやアップリケ刺繍を作る場合も、まずはアップリケ生地を仮止めして、
それから内側の刺繍。最後に縁をくくると歪みのない仕上がりとなります。
まあ、あくまで一般論でして、例外は沢山あります。(苦笑)
文字刺繍なんかには当てはまりませんし・・・そうですね!文字。

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例えばアルファベットの場合、筆記体の場合は、書き順通り、向かって左から右へ作っていきます。
ただ、ブロック体の場合は、逆に右から左へ作って行くほうが楽です。
糸を切っていく場合は問題ありませんが、なるべく繋げたいという、刺繍屋の裏事情もありますし、
「k,h,m」のブロックの重なりで悩むことがありません。

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まあ、今日のお話はセオリーというほどのものではなく、結果的に自然とそうなるってことなのです。
決まりではありません。ただ、迷った時は、内側から・・・「知ってて良かった」ってことがあるかも?

# by ykm94731 | 2018-03-03 18:21 | 刺繍屋のお仕事 | Comments(9)

ザックリと!

現在、秋冬物のサンプル終盤戦です。
ようやく終わりが見えて来ました。
今年はいつも以上にご依頼をいただいたような?業界にとって、良い兆しなのかな?
で、最近多い「ザックリ手刺し風」です。
まあ、何てことはない、糸を重ねて太糸っぽく見せるだけの手法です。
刺繍機では、あまり太い糸は縫えませんからねえ?
それに、縫える糸だったとしても、在庫増えるの嫌だし・・・。(苦笑)
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「太糸風」ですが、それなりに雰囲気出てるでしょう?
糸目が見えて、手で刺したような柔らかさを表現するのが目的です。
通常のパンチングと変わらず、オートのサテン・ステッチとランニングステッチで作ります。
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要は、そのサテンやランニングにモチーフを適応させるだけ。
ビーンステッチって言うのかな?重ね縫いですね。
通常のサテンのワンストロークの本数を増やしただけです。
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今回は自作モチーフで、9本重ねるようにしました。
ちょっとした工夫としては、針落ちポイントをずらしていること。
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同じポイントに何度も刺すと、生地に穴が開いたり、糸が切れやすくなりますから。
それと、糸をクロスさせています。向かって左のように、平行に並べていくと、
隙間が出来てしまうことがありますし、重ねることによって、若干ボリューム感も出せます。


枝部分はこんなモチーフになっています。
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こういうモチーフの編集が出来ない場合は、マニュアルステッチで一つのモチーフを作って、
コピペで並べて行くという方法もありますね。
今回は綺麗なアウトラインにしましたが、マニュアル入力で、ランダムに作ると、より手刺しっぽい感じになります。
さあ、今日の記事はどうだったかな?(笑)

# by ykm94731 | 2018-02-24 17:27 | 刺繍屋のお仕事 | Comments(6)

混ぜてみよう!

前回のBLOGで難題をいただき、「答えられないから、逃げたんじゃない?」って思われた方、
「今年は」逃げませんので!(爆)

さあ、交ぜるの続きです。今日は混ぜたいと思います。まずは完成データです。
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グラデーションです。
刺繍での表現は厄介で面倒なので、依頼が来ないよう、いつもお祈りしています。(笑)
「そんなのオートで簡単に出来るよ!」って方は、この先にお役立ち情報はございませんので悪しからず!
WilcomとかPulseや刺しゅうPROなら自動で出来るのかな?
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うちのだと、こういうグラデーション埋めが限界。これを組み合わせたら出来るかな?
とか、思うんですが、上手く行きません。
なので、アナログ&マニアックな作業スタートです。
ただし、この方法は、1針データが扱えるソフトでしか出来ません。
dst等の、マシーンフォーマットデータを読み込んで、アウトライン化してしまうソフトでは不可です。


つづき
# by ykm94731 | 2018-02-18 15:53 | 刺繍屋のお仕事 | Comments(16)

混ぜる!交ぜるかな?

世間は3連休とのことで、お客様がお休みの間に、少しでもアドバンテージを・・・
って感じで、もれなくお仕事です。(苦笑)

さて、今日は、「これはプリント屋さんのお仕事でしょ!」ってデザイン。
グラデーションとか、水玉や網掛けみたいな表現、結構ご依頼をいただきます。
今はイラレとかで図案を作られる方が多いですから・・・ただ、そういうグラフィック表現は
プリントには敵いません。
「無理です!」って断るのが常ですが、負けてばかりも悔しいので・・・
ということで、久々の実験教室です。
題材はこんな感じ。
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今回は「タタミ」で攻めます。糸は赤と黄色の2色。
少しでも解像度を上げるために、細番手の75d/2を使用。
赤の糸で、縦方向のタタミを縫い、黄色の糸で、同じく縦のタタミを被せます。
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同じものをそのまま被せちゃうと下の赤が見えなくなってしまいますので、
赤の隙間に黄色を押し込む感じで。
(赤のデータをコピーして、横へズラすと簡単です。)
そのため、タタミの密度が通常0.3なら、それぞれその倍の0.6くらいで。
(今回は後述の事情で、0.8にしました)
画像では隠れていますが、赤には下縫いを入れてます。
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左半分が、赤に黄色を重ねた部分です。いい感じでMIXされてるんじゃないですか?
で、今回は、黄色を水玉のようにしたいので、さらに赤を重ねます。
今度は横方向のタタミを、1.2くらいのピッチで。
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横方向の白い線が、上から被せる赤糸の部分です。
で、いきなり完成!(笑)
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写真では分かり難いですが、刺繍ならではの面白い見え方になりました。
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この重ねるって手法は、工夫次第でいろいろ使えます。
グラデーションもこれと同じ手法です。
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プリントのように、正確さや繊細を求められると厳しいですが、
刺繍屋ですから、出来るだけ刺繍で行きたいですよね~!
では、また。

「混ぜる」は別々のものを一緒にしたとき、元のものが区別できない
「交ぜる」は別々のものを一緒にしたとき、それぞれ後から見分けがつく

# by ykm94731 | 2018-02-11 12:35 | 刺繍屋のお仕事 | Comments(6)

続 文字って難しい。

果てしなく続く「パンチングな毎日」。
まあ、飯の種となるサンプル作りには必須なのですが、そろそろお休みが欲しいなあ・・・。
さて、今日も文字のパンチングに関するTipsを。
いつもと違い、1文字ずつ、切り離した文字。
刺繍屋としては、文字間は繋いで、スムーズに行きたいのですが、「許してもらえない!」
ありますよね?
まず、悪い例です・・・わざと下手に作りました!(爆)
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まず、何が駄目なのか?
いろいろあるのですが、今日はこの「M、A」が左右対称になっていないこと。
これは、文字の終わりの箇所と、ほつれ止めに問題があります。
(ほつれ止めがないと、「刺繍がほどけた!」っていう大問題が起こることがあります。)
今はソフトだけでなく、刺繍機でも、設定によって、ほつれ止めを入れたり出来ますよね?
でも、うちはいろんなところへのデータの販売業務もありますから、機械任せ!ってわけにはいきません。
なので、データにしっかりとほつれ止めを入れておかねばなりません。
で、その際の、箇所が問題です。
文字間の糸を切らない場合ですと、Mを作って、Mの向かって右の下に出口、そこからIを作って・・・
この場合は、さほど問題は起こらないのですが、糸を切るとなると、出口を同じようにすると、
上の悪い例のように、ほつれ止めのせいで、ふくらんでしまい、左右非対称になり、
文字の高さも、大きさもバラバラに見えてしまうことがあります。

今回のようなケースですと、「M、A」は、足元に出口を持って来ない。
Iは上か足元しか無いですが、Lはコーナーに出口を持ってくると、ほつれ止めが目立たず、スマートに出来ます。
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赤いポイントがそれぞれの文字の出口(終点)。
緑が入り口です。文字の入り口・縫い始めは、端ではなく、内側に持ってきたほうがベターです。
縫い始めの糸が表にはみ出したりもせず、上手くいけば、裏側のヒゲも刺繍に包み込まれて、
裏も綺麗に仕上がります。
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Aに関しては、下の動画で確認してみてくださいね!

重なる部分に出口・ほつれ止めを持ってくるのは、文字に限らず、結構応用がききます。
以上、超マニアックネタでした。
意味不明?(苦笑)

# by ykm94731 | 2018-02-07 18:39 | 刺繍屋のお仕事 | Comments(9)